数学のチカラで日常をちょっと賢く、もっと楽しく

算数の学びにもつながる「ピタゴラス」シリーズ 「ピタゴラス」での遊びが算数や数学の基礎をつくる

  • インタビュー
アイキャッチ画像
目次


子どもはもちろんおとなも夢中になり、遊びを通して空間認識力が育まれ、算数の学習にも役立つと話題の「ピタゴラス」シリーズ。前半の『遊びながら空間認識力を育む! 算数の学びにもつながる「ピタゴラス」シリーズ』では、「ピタゴラス」シリーズの開発のきっかけや商品化までの経緯、遊び方などについて、「ピタゴラス」をはじめとした商品の企画をしているピープル株式会社 企画部の花牟禮(はなむれ) 瑠実子さんに話を伺いました。

後半では、幼児期の遊びの大切さや遊びからつながる学びなどについて、前半に引き続き花牟禮さんに話を伺っていきます。

幼少期の遊びからつながる学び







幼少期の遊びのなかで、こうしたおもちゃの果たす役割はどんなところにあるとお考えですか。

花牟禮:

「ピタゴラス」に関してですと、「ゴールにたどり着いた」「完成品をつくりあげた」というより、「何をやりたい」とか「これができそう」というように、子どもたちが自分で 遊びや目標を発見して、展開して、壊れてもまた新しくつくり直して……という繰り返しができるおもちゃだと思います。

そうしたなかから考える力だったり、あきらめない気持ちだったり、いろいろことを学べるのかもしれないですね。

花牟禮:

そうですね。実は、「ピタゴラス」は磁力が弱いです。おもな対象年齢が1歳半から ということもあって、「磁力が弱い」とご指摘をいただくこともあれば、「ちょうどよく取り扱いができた」とおっしゃっていただくこともあります。この磁力ゆえに途中で崩れてしまったりするのですが、崩れてしまったときのようすについて園の先生が、「遊んでいる子どもたちは案外、あきらめないんだよね」とおっしゃっていたことがありました。かんたんにつくり直すことができるということを子どもたちもわかっているから、「壊れちゃった。じゃあ、もう1回やり直そう」と思える絶妙な磁力になっているのだと思います。

今、デジタル玩具が増えていますが、アナログ玩具のよさはどのようなところだと思いますか。

花牟禮:

私たちのおもちゃで遊んでいるのは、1歳から幼児の子どもたちが中心です。その年齢は、世の中のことを知っていく時期だと思います。そのような時期に自分の手で実際に触ったり形を変えたりといった体感をともなった経験は、とても大事なのではないかということは感じています。









花牟禮さんご自身の小さいころの遊びが、今のお仕事に生きていることはありますか。

花牟禮:

とくに子どもの時期に何かに没頭した体験は、とても大事だと思っています。私自身が、楽しんでいっぱい絵を描いたとか、ブロックおもちゃをいろいろな触り方をしながら遊んでいました。そういった経験があるので、つくることに没頭する、描くことに没頭する、体を動かすことに没頭するなど、何かに集中して無我夢中でやり込むような体験を子どもたちに提供したいと思っています。


空間認識力が自然と身につき、算数・数学の学習の助けに

算数を苦手と感じている子どもが算数に興味をもてるようになるために、日ごろからできることはありますか。

花牟禮:

「ピタゴラス」の開発者である久道登先生には、発明時のお話を伺ったり、新商品開発のご相談をさせていただく機会が何度かありました。 先生がくださったことばがとても印象に残っているので、それをお話します。1つめが、手を動かして遊ぶ感覚を主体にして取り組めるようにすること。2つめが、やさしいこと。やさしすぎるくらいのことから、1つずつ順番に取り組めるようにすることが大切だとおっしゃっています。3つめが、保護者も子ども目線になっていっしょに取り組むこと。おとなは「こういうふうにしてほしい」とか「これを身につけてほしい」とか期待することはありますが、いっしょにやっていくことがとても大事なのだと思いました。

やはり、おとなはどうしても「もっと難しいこと」とか「できるようになってほしい」など期待が出てしまったりします。

花牟禮:

私たちが考えているアイデアを先生にお見せしたときに、おとながやってほしいことがつまったアイデアであるとご指摘をいただいたことがあります。先生は、これよりはもう少し手前の、おとながやさしすぎると思うくらいのことをいっしょに楽しんで、あくまで遊びを主体にやるということがすごく大事なことなのではないかとおっしゃっていました。








おとながいっしょに取り組むことも大切であることがわかりました。具体例などをお聞かせいただけますか?

花牟禮:

体験イベント は、家族で遊んでいただける場として提供しています。すると、家族全員で1つの大作をつくるご家族もいれば、お父さん、お母さん、子どもがそれぞれの創作に夢中になっているご家族もいらっしゃいます。そのようにいっしょに取り組んだり遊んだりすることが、学習などにつながっていくのかもしれないと思っています。

家族なりの遊び方が子どもにとっては良い刺激になっているのかもしれません。やはり幼少期にこういったおもちゃで遊ぶことは、空間認識力を育むことにつながると思われますか。

花牟禮:

そうですね。「ピタゴラス」には、家や箱をつくるという遊びがありますので、それをつくるにはどう組み立てたら良いかという立体的な思考や動作が必要になってきます。遊んでいるうちに頭のなかに立体ができるとよくいいますが、その一助になっているのではないかと思います。

立体を自分で組み立てることで、空間を自然にイメージできるようになるのかもしれないですね。

花牟禮:

立方体の箱は基本的な形ですが、子どもたちは、最初はなかなかつくることができません。たとえば、側面の正方形を1個ずつ立てようとすると、立たずに倒れてしまいます。そのうちに、平面から隣りあう2つの 側面を同時に持ち上げるとできるということに気がつきます。何度見ても、そのことにはじめて気がつく瞬間の子どもたちのようすはとても感動的です。

遊んでいるうちに自然と立体の展開図を考えることにつながっているわけですね。幼少期にそういった経験があることは、算数や数学の学習にとても役立つと思います。














大人から子どもへつながる遊び

「ピタゴラス」シリーズを購入される保護者の方は、どのような思いをもっていらっしゃるのでしょうか。

花牟禮:

実際にお話を伺ったり、アンケートを見たりしますと、ご自身が建築関係のお仕事をされていたり、理系で数学が得意だったりして「子どもにも得意になってほしいし、いっしょに楽しめるかなと思って買いました」という方がいらっしゃいます。一方で、ご自身は数学が苦手で教えられないから、「ピタゴラス」で遊んで身につけてくれると良いなと考えて購入される方もいらっしゃいます。

「ピタゴラス」シリーズは今2世代めですよね。

花牟禮:

そうですね。子どものときに遊んでいたという方もかなり多いです。もしくは、ご自身は買ってもらえなかったけれど、子どもには買っていっしょに遊びたいという方もいらっしゃいます。「ピタゴラス」はおもちゃとしては高額なものになるかと思います。それでも買ってくださるのは、実際に遊んで良かったという声が口コミで広がり、それを見て購入して遊んでくださった方が、また良い評価をしてくださって……とつながってきたからだと思います。

ピープル株式会社さまがおもちゃを通して、子どもたちや社会に伝えたいことは何でしょうか。

花牟禮:

会社としては、パーパス(企業の社会的存在意義)に掲げている「子どもの好奇心がはじける瞬間をつくりたい!」というところが念頭にあります。好奇心とひと口にいっても、いろいろな好奇心があるので、そこに対するさまざまな商品やサービスをご提案できるように、今開発を進めているところです。楽しみに待っていてください。また、私たちの活動が広がることによって、子どもたちの好奇心をみんなが応援する社会になってほしいと強く思います。

そのなかで「ビタゴラス」については、つくる好奇心が 発揮できるようないろいろな遊びを考えています。「ピタゴラス」を通して、子どもたちが「つくる没頭体験」をしてくれたら良いな、そこを届けたいな、と思っています。


今回は、ピープル株式会社の花牟禮瑠実子さんに幼少期の遊びの大切さや遊びから自然と育まれる空間認識力などについて話を伺いました。実際に手を動かして体験すること、そしておとなもいっしょに取り組むことの大切さを感じました。ご家族いっしょに「ピタゴラス」シリーズに取り組んで、図形から広がる遊びを体験してみてはいかがでしょうか。

ピタゴラスシリーズ商品URL:https://www.people-kk.co.jp/toys/pythagoras/lineup.html







記事を書いた人

篠崎 菜穂子(しのざき なおこ)

フリーアナウンサー/数学コミュニケーター/数学シニアインストラクター。東京都生まれ。日本大学理工学部数学科卒業。横浜国立大学大学院先進実践学環社会データサイエンス修士課程修了(学術)。中学高校数学教員免許、幼児さんすうインストラクター、算数シニアインストラクターなど、多数の資格を取得。数学関係のアナウンサーの仕事のほか、数学講座やワークショップ、執筆など幅広く活動している。著書に『はたらく数学 25 の「仕事」でわかる、数学の本当の使われ方』(日本実業出版社)など。


篠崎菜穂子の数学情報サイト 「How to enjoy math」

サイトURL:https://www.enjoy-math.com/



  • ホーム
  • コラム
  • 算数の学びにもつながる「ピタゴラス」シリーズ 「ピタゴラス」での遊びが算数や数学の基礎をつくる